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日本のモダニズム建築のレッドリスト。

2015.04.19

Edit:DGBH

みなさん「レッドリスト」という言葉ご存知ですか?
「絶滅のおそれのある野生生物(動植物)のリスト」のことを一般的に言いますが、今、日本の素晴らしいモダニズム建築も失われつつあります。

戦後の重要建造物の多くが、解体、または原形をとどめないほどの改築の危機にさらされ、モダニズム建築として大きな影響を与えてきたいくつもの建物物も、経済的な理由や耐震性の問題から、絶滅に危機に瀕しています。

そんな「日本のモダニズム建築のレッドリスト」の中で、昨年5月に建替計画が発表されて以来、しばしば話題になっているのが、ホテルオークラ東京本館です。

イタリアのラグジュアリーブランド、ボッテカ・ヴェネタ(Bottega Veneta)のクリエイティブ・ディレクターであるトーマス・メイヤー(Tomas Maier)氏がこのニュースを知り、ニッポンにある素晴らしいモダニズム建築の魅力を世界に向け発信しています。

1962年に谷口吉郎氏が設計したホテル・オークラ東京本館。トーマス・メイヤー以外にも、このホテル・オークラ解体計画発表後、いち早く保存を訴える署名キャンペーン(http://savetheokura.com/)を初めたのは、イギリス発のグローバル情報誌『monocle(モノクル)』。さらに、イギリス人ファッション・デザイナー、マーガレット・ハウエル、ポール・スミスなども、反対声明を出しています。

ちなみにホテル・オークラ東京本館以外に、今、レッドリストに入りそうなモダニズム重要建造物というと、六本木にある国際文化会館や上野の東京文化会館などが上げられます。

心が込められ丁寧に作られた優れた建築ほど、時間が経てば経つほど良い"""オーラ"が出てくるものです。(これはファッションや日用品全てに言えることですよね。)この"いい味わい"は、一度失ってしまうと再現は不可能です。

漫画やアニメも良いですが、日本のモダニズム建築も、日本が誇れる"Cool Japan"だと思うのですが、皆さんはどう思われますか?

同じように共感し何かアクションを起こしたいと思っている方、
こんなアクションはいかがでしょうか?

●雑誌『モノクル』の反対キャンペーンにオンライン署名する。

上記で紹介したイギリスの雑誌『モノクル』の立替反対キャンペーンにオンライン署名で参加。友人・知人に拡散する。

Save the OKURAキャンペーン→

●ドコモモ・ジャパンのメンバーになる。

モダニズム建物と環境形成の記録調査および保存のための国際組織で、日本の近代建築の再評価のための活動を行うとともに、取り壊しが予定される近代建築について保存要望書を提出するなどの保存活動にも取り組んでいる、「ドコモモ(DOCOMOMO=Documentation and Conservation of buildings, sites and neighborhoods of the Modern Movement)」という団体があります。そのメンバーになってみる。ドコモモ・ジャパンが選定したモダニズム建築は2014年現在、174あります。

ドコモモ・ジャパンのオフィシャルサイト

●ボッテガ・ヴェネタのキャンペーンに参加する。

ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)が行っている、SNSインスタグラムを使ったプロジェクトに参加してみる。参加方法は簡単。ホテルオークラ東京の本館を訪ね、思い思いに写真を撮影し、投稿と写真にハッシュタグ「#MyMomentAtOkura」を追加して自身のインスタグラムのアカウントでシェア。

ボッテガ・ヴェネタのキャンペーンサイト→

Information

戦後の重要建造物の多くが、解体、または原形をとどめないほどの改築の危機にさらされ、モダニズム建築として大きな影響を与えてきたいくつもの建物物も、経済的な理由や耐震性の問題から、絶滅に危機に瀕しています。そんな日本のモダニズム建築を守るためのキャンペーン。